19. Mai 2013

ヴェントのラウジッツにおけるトレジャーハント

                


 ヴェントのラウジッツにおけるトレジャーハント

                        ラウジッツのトレジャーハント

                   Tomaš Kappa / Ralph Th. Kappler



“もう一千年以上になる
われわれは兄弟として我慢してきた
お前は私の呼吸を
私はお前が猛り狂うのに耐えてきた”
(ハインリッヒ・ハイネ「エドムへ」)





これはドイツの――ソルブ人の待遇についての最も大きな秘密であり、不名誉な物語だ。ソルブ人はドイツで民族舞踊を踊ることを許されている。しかし彼らマイノリティの権利やルサチアの豊富な鉱物資源があるにも関わらず、ドイツ政府はソルブの学校や幼稚園を閉鎖し続けている。

ナチスの法をもとにソルブのかけがえのない景色や村が取り壊され続けてきている、とドイツ公共放送テレビ局MDRは近年明らかにした。ソルブとは最小規模のスラブ系民族であり、ドイツ国内の「ラウジッツ」と呼ばれる地域に住む少数民族である。スラブ文化を手放させようとするゲルマンの圧力に常にさらされながらも、ラウジッツを耕し1500年もの間その地に住み続けた。





Lusatia briefing at Foreign Press Association, London May 2002
(Jan Nuk, Domowina Chairman, left / Tomaš Kappa / Ralph Thomas Kappler, centre)





ドイツにおいてナチ法は排除されたわけではなく、むしろ今日にいたるまでラウジッツの広範囲にわたり商業財産や個人所有の家を押収することを可能にしてきた。ナチ法の元々の目的はラウジッツの褐炭をヒトラーの戦争機構に与えることであった。現ドイツ政府はバッテフォール社(スウェーデンの公営電力会社)にルクセンブルクほどの大きさのルサチアを取り壊させて利用することを許した。


Nina de Lusacia Sorbia Foto de Iwajla Klinke    

ドイツ政府はソルブの土地、文化、そして財産の乱用を公の目からシステマティックに隠してきた。ロールモデル国家であるスウェーデンはこの様な横暴な方法、またナチの土地収用法から利益を得ている。強制土地収用という脅しのみでバッテンフォール社はソルブの人々を故郷と土地から追いやり、その居住区をゆすりとることができているのだ。美しいソルブの景色、そして人々の居住地を代償に、強制収用という根拠ただ一点でスウェーデンの公営企業は褐炭の採掘を拡大している。“全民族のうち4分の1は採掘団体のために故国を終われることとなりました。我々ソルブ人は崖っぷちにおいやられているのです”ヤン・ヌク―ソルブ民族権利擁護団体ドモヴィナの議長―はロンドンの外国記者協会を通じ、このように警鐘した。


ほどなくしてバッキンガム宮殿の門がソルブ人の代表者らに対し開かれた――エリザベス2世女王の即位50周年祝典期間中、ソルブ人はロンドンに初めて外交寄贈品を持ってきた。1946年ラウジッツをチェコスロバキアと併合するためにロンドンで運動を起こそうとしたものの失敗に終わったため、第二次大戦後からそれまでソルブ人が英国の首都において運動を行った事は無かった。
              



                  


今日に至るまでラウジッツはブランデンブルク州とザクセン州に位置している。ラウジッツはドイツの中でも多くの金や銅、レアアースなどの天然資源に恵まれている。にも関わらず、石炭採掘団体に未開発の地域は絶えず傷つけられていると言われており、そういった地域は勇気ある政策が無いためにもっと苦しんでいる。共産主義政権の崩壊から20年たった今でも、ソルブ人たちは正統な民主的代表権を持っていない。

しかし、希望の兆しもある。セルブスキ・セイミク はソルブ議会設立にむけて草の根運動を始めようとした。また、スタニスラフ・ティリッヒはソルブ人出身の初の首相であり、カルトバンドSilbermondのメンバーはソルブ語を話す。20世紀フォックスが配給した映画クラバートではダニエル・ブリュールやローベルト・シュタートローバーのようなドイツの有名な俳優が出演した。しかし、このドイツ映画製作会社は、このベストセラーである原作のクラバートが元々はMěrćin Nowak-Njechorńskiから出版されたソルブ民族の勇気ある自由への物語であることを広めることはできなかった。


Over 130 destroyed villages - Strip Mining by Vattenfall in Lusatia


   

   消された136の村

     
 ベルナー・ドマインとその妻はソルブの村ホルノの最後の住人であった。すでに退職し、70歳である夫婦は採鉱の指令者からの脅しに抵抗し、耐えしのいだ。彼らは巨大な採掘機が近づき耳をつんざくような騒音と埃が舞う中でどうにかシナノキを家の前に植えた。それまでには戦争があったかのようにホルノはすでにひっそりとして荒廃していた。

ドイツ中心部より東側にある136もの村はラウジッツの褐炭の採掘クレーターの中へと消えていった。グリーンテクノロジーとエコロジーのチャンピオンを自負するドイツであるというのに!このような冷酷な行為はソルブ人の破滅をますます加速させていった。ウェブサイト:www.verschwundene-orte.deでは破壊されたソルブの美しい村の名―パブリク、ブコビナ、ホルノ、バラク、ロヴノ、ラコマなど―を見ることが出来る。

利用できる石炭がもう無いにも関わらず、ホルノはスウェーデンが保有する電力会社バッテンフォールに破壊された。共産主義政権下ではほとんどの全東ドイツのエネルギーインフラを牛耳った。東ドイツ共産主義政権にとってスウェーデンは西欧諸国の中で唯一主要な貿易パートナーであり、技術提供国であった。今日、バッテンフォール社はソルブのコミュニケーションおよび教育基盤のスポンサーを務めているが、それはソルブの自己表現を衰えさせている。ラウジッツの採鉱会社ラウバグは、彼らは750平方キロメートル以上の土地を収用している、と遠まわしに広告した。だが、この広大な土地の採掘を通じ実際にラウバグが行ったのは、ハンブルグほどの大きさの地域を破壊することであった。採掘再構築協会長ヨアヒム・カツァーはZEITのインタビューの中で次のように発言している。“地下水路をもつ地域も含めて数えるなら、ラウジッツの採掘指令者は実際4回も土地に影響を与えたこととなります” この様に3000平方メートルの肥沃な都市ラウジッツの地は無慈悲な石炭採掘の犠牲となった。ラウジッツはルクセンブルクよりも大きく、またパレスチナ自治区の半分のサイズだ。ラウジッツ全体の大きさはヨーロッパのベルギーとも同等といえる。ドイツの何千平方メートルという肥沃な土地は露天掘りの褐炭採掘のクレーターへと消えていった。この自然への干渉行為は、氷河時代から現代までの間で最も著しく地球の表面を変化させた。


   穢れなき石炭のおとぎばなし

  “もし地球の気候変動について真剣に考えるのなら、われわれはすぐにでも褐炭の扱いについて舵をとる必要がある”とドイツ経済研究機構のクラウディア・ケンプフェルトは言う。効率の低さ・大量の温室効果ガスの排出のため、褐炭は気候に多大なダメージを与える。私たちは気候を保護するという苦しみ以上に何かを失っているのだ。 バッテンフォール社RWE & Coによって作られたCarbonCaptureStorageCCSはPRのためのただのキャッチフレーズにすぎない。この実験技術について宣言された狙いはCO2排出の削減と地下貯蔵にある。 “CCSは事実、再生エネルギー技術への投資を妨げ、また、独裁的かつ時代遅れの支配集団を固定化することへのツールにすぎない”緑の党のエネルギー専門家アストリッド・シュナイダーはそう解説する。近頃ではザクセン州では議会のヒアリングがCCSのケースをあげることについて失敗に終わっている。また、バッテンフォールの専門家フーベルトゥス・アルトマンは議会で、例えどのようなことがあっても翌5年の内にCCS技術は産業的には適用しえないだろうと認めた。
    




Lusatian Village - Associated Press AP



      マトリョーシカの規則


       ラウジッツの貴金属――金、プラチナ、銀、亜鉛、そして270万トン以上の含銅頁岩は10億もの価値がある。1トンの銅でさえ世界市場では10000€にまで達する。含銅頁岩KSL会社はラウジッツにおける採鉱権の取得を申し込んだ。しかし、KSLはあいまいでマトリョーシカのような規則に則り行動をとっている。KSLはパナマMinera SAの補助をしているにすぎず、Minera SAは事実カナダInmetMiningの支援をもしている。そしてInmetMiningはJochenTilk CEO(アーヘンのドイツ人地質学者)に率いられているといった形だ。 市民の参加のみが売買契約に透明性を与えられるのであり、仕事や利益、地域の教育システム、大学、ソルブ語プログラムへの投資を提供するということがもしも加えられていたならば、ラウジッツのトレジャーハンティングはハッピーエンディングといった形になったであろう。ヌクの後任者、デビッド・シュタトニクは“採鉱権が石炭、銅、金の採鉱会社に譲渡されていたら、彼らはババリアや北ラインウェストファリアと同等にルサチアにも投資を行わなくてはならなかったのだ”と会社の責任を求めた。


    ナチズム、共産主義そして今日の民主制の
    押し付け

  
    ソルブは何世紀も抑圧されていた。彼らはソルブ語を使用することも禁止されており、犬や家をもつことさえも許されなかった。啓蒙運動時代のつかの間の絶頂のあと、ドイツ人に同化させようとする厳しい圧力が再びかかり、何千というラウジッツの家族は力ずくでドイツ化させられた。また、ソルブ民族の鍵となる出来事が939年に起きた――ゲルマンの君主ゲロが30人のソルブの諸侯たちを招いて宴を催し、その場で彼らを暗殺したのだ。 これによりゲロはゲルマン人の土地の強奪に対するスラブ人の抵抗を取り除くことに成功した。 さて、今日の状況はどうであろうか?

“平和的な改革から20年たった後でも、私たちはソルブ人としての自己決定権はありません。ソルブはいまだ他の者に統治されているのです”ベネディクト・ディリッヒは不満をもらす。ソルビア人芸術家連盟長としても、彼はソルブ人の自国の代表者の欠如について非難している。ソルブ人権利擁護団体ドモヴィナはGDRのような組織化された無力な政治によって未だまとまっていないままだ。

マルクス・メッケルはそういった事情についてよく知っている。彼は東ドイツ外務大臣に初めて選出され、第二次大戦の戦勝国との2プラス4交渉にも参加した。最近になって皮肉にもメッケルはブリュッセルでこのように述べている。“おそらくソルブはよりよくなっていっただろう…もしもソルブが初の国家であったなら豊富な鉱物資源を活用し、もう少し自立していた” メッケルは東西ドイツ再統一条約をぞんざいにまとめる際の欠損について尋ねられたとき、ごまかしている。内務大臣のヴォルフガング・ショイブレは“熱い針”とシュタージに耐えた東ドイツの政治家達とともに急いでこの条約とりまとめた。外務大臣の時にメッケルは“この統一条約はほんとうに私の性に合わなかった”と述べた。

  このように先祖代々のソルブの地はいったい誰が所有しているのかという疑問は、東ドイツ官僚達にも無視されてきた未だ中心的なトピックである。ラウジッツの地と自然資源の正当な所有者は誰なのであろうか?軽々しく与えられたこの採鉱権の正当性についての疑問には、今日まで答えがないままだ。



Sorbian village Horno destroyed by Vattenfall, Foto Gerard Petit



       沈黙は死、スピーチは金なり

     Marka Macijowaはソルブ民族出版ハウス長であり、ソルブドイツ言語教育の基礎に焦点をあてている。“ソルブ語は両親が子供に伝えていくことでしか生き残らないでしょう。またドイツ語も、ソルブ人独自の文化的側面を豊かにしていく上で学ばなくてはなりません。ソルブ文化を敬い、よく理解するために”とMacijowaは言う。。一方で、ソルブはベルリンやプラハ、ブリュッセルにも政治的なつながりを確立していった。欧州議会議長のイェジ・ブゼクは今年のコトブスで行われたソルブ音楽の国際議会でパトロンになることに同意した。かつて若者であった頃のブゼクは、政治的なアングラからシレジアでのポーランドの「連帯」を組織している。

支援の手は他からもさし伸べられている。ルーマニアの農業委員長であるDacian Ciolosは現在EUの農業を再構築している。彼の狙いはヨーロッパの農業を分散し、より多くの緑を増やすことだ。もしこのEU改革が不十分に履行されたのなら、ラウジッツの地域に関する政策の現状維持への後押しとなってしまうだろう。16世紀以上もの間、ラウジッツの地でソルブ人達は話し、歌をうたった。しかし今、ソルブ文化が生まれたその景色は、石炭の冷酷な搾取によって壊され続けている。

バッキンガム宮殿のレセプションでヤン・ヌクと著者は小さな青く装丁された本――“Dwe Lubosci Ja Mam 私の中の二つの愛”(ソルブ語で書かれたシェークスピアのソネット)を手渡した。また、ドイツ哲学者のペーター・スローターダイクの精神とともにドイツ人とソルブ人はJointSurvivalの技術の実践について学んでいかねばならないとも言える。JSのノウハウはおそらく最も重要であり、未だ発見されていないラウジッツの宝だ。ラウジッツはまだ全世界的クリーンテック国となるべく邁進していけるだろう。





Buckingham Palace Gates open for Sorb Delegation - Jan Nuk, Tomaš Kappa (2002)


の父の人生に終わりが近づいてきたころ、父はソルブ語を話すようになった。父が亡くなった後、私はカフェテーブルから一枚の領収書をみつけた。リビングルームは来客を待っているかのように整えられているように見える。 この紙片には、父が書き残したたった二つの文があった――“Witajci k nam 暖かいもてなしを“ そして、同じくソルブ語で続けてこうあった――“ 故郷に戻る者には祝福を ”





* Article "Treasure Hunt in Lusatia - ヴェントのラウジッツにおけるトレジャーハント",
  p
ublished by Pogrom-Magazine of the "Society for Threatened Peoples –   Gesellschaft für bedrohte Völker“, Ralph Th. Kappler / Tomaš Kappa, Göttingen 2012
 


*  Press Release: Sorbian Delegation at the London based Foreign Press Association
   Joint statement of HALO ENERGY and DOMOWINA, London 2002 

   https://independent.academia.edu/RalphThomasKappler


* Sorbian Wendish EU Memorandum to EU-President José Manuel Barroso,
   Sorbisches EU Memorandum an EU Präsident
José Manuel Barroso, 
  
Brussels / Budyšin / Bautzen, 7th of June 2012 

   https://independent.academia.edu/RalphThomasKappler    


* Ralph Th. Kappler / Tomaš Kappa founded the
HALO ENERGY
  CleanTech communications network in 2002 in London. 



Distributed by HALO ENERGY

Web: https://www.halo-energy.com



 
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